Interviewドクターインタビュー
矯正専門の歯科に一般歯科が追加されリニューアルされましたね!
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義之先生
- ええ、私が矯正が専門に開業して40年以上たち、今息子が一般歯科を担当しています。私が矯正歯科を専門としたきっかけは大学卒業後に新潟大学の先生の講演を聞いて感銘を受けたこと。新潟大学歯学部の矯正科に行き5年ほど勤めました。さらに見聞を広めたいとカナダに留学し、帰国後、福岡の中心地であるここ天神で開院しました。
歯科医院を継ぎたいと小さな頃から考えていましたか?
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裕之院長
- 実は私はもともと歯科とは関係のない仕事に就いていて、歯科医院を継ぐことは考えてもいなかったのですが、縁があって30歳の時に日本大学の歯学部へ入りました。卒業後は東京で研修を受け、関東の歯科医院に勤めていたんです。最終的には茨城ののどかな場所で勤務しており、どこへ行っても顔を見ればお互い知っているような地域でしたので、道端で会う人にも「先生、この間車で走ってたでしょ?」と聞かれたりしましたよ(笑)。ここで人とふれあう大切さも学ばせてもらいました。
裕之院長が帰ってきて、リニューアルされたんですね。
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裕之院長
- はい。今後も含めて考えた結果、福岡へ帰ってくることになりました。父が専門としていた矯正に加え、一般診療もできるようリニューアルすると同時に、父から院長を継承する運びとなりました。
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義之先生
- それまでは私の後継ぎはいないと思っていましたから、このような日がくるなんて考えもしませんでした。それだけに息子が戻ってきた時はうれしかったですね。
リニューアルされた院内はとても清潔感がありますね。
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裕之院長
- ちょうど新型コロナウイルスが流行し始めた時期のリニューアルだったので、ユニットを減らしてゆとりのある作りにしました。半個室のほうが患者さんも安心されると思いますので、落ち着いてゆっくりと時間をかけて診られる環境が整ったと思います。
今はまだ矯正が中心ではありますが、私が診療に加わったことで対応できる幅が広がりましたので、保険診療や、場合によっては急患にも対応しています。患者層でいうと、お子さんからご年配の方までさまざまですが、大人の方は女性のほうが多いように感じますね。
矯正治療についてどのように方針を立てていますか?
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裕之院長
- 小児の矯正に関しては、小さな頃から顎をコントロールして診ていくことと、後戻りを最小限にという点を重要視しています。小児の時期から矯正を始めることで成長を見ながらコントロールすることができるんです。矯正は長い時間を必要としますので、その中で発生するさまざまなトラブルには一般歯科診療で対応しています。
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義之先生
- 私は基本的にスタンダードエッジワイズ法と呼ばれるテクニックを使っています。患者さんの状態に合わせて、矯正ワイヤーを曲げて口腔内にセットアップしていく手法で、思い描く状態に歯をコントロールしていくやり方ですね。これは知識と経験があれば、さまざまな症例に対応できます。歯に装置をつければきれいな歯並びになると思われている方が多いと思いますが、一番大事なのは顎のバランス、つまり骨なんです。そのため、例えば成長期には上顎の発育を抑制して、下顎を発育させるということもします。そうやってバランスを取っていくのが重要なんです。
歯だけでなく顎骨のコントロールが大切なんですね
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義之先生
- もともと歯は口腔内の環境によって自然に動きます。例えば、歯を削ればその状態に合うように隣の歯などが自然と動きます。しかしコントロールしなければ歯並びが歪んだり、噛み合わせが悪くなります。ポイントは歯の後戻りを防ぐこと。全体の骨の量、上下の骨の位置、筋肉の動きなど、トータル的なバランスを考えなければなりません。無理に動かすと後戻りも大きくなりますから、歯が自ら理想とする場所へ動けるように全体を整えることが大事なんです。そうすれば後戻りも最小限で済みますので。長年矯正専門の歯科医院として診療してきましたから、今も紹介状を持って来られる患者さんが多いですね。
患者さんへの対応で重視していることはありますか?
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裕之院長
- 信頼関係を築かないまま治療を進めてしまうと良い結果を得られません。矯正は時代の流れとともに新たな手法も出てきました。数ある歯科医院の中から当院を選んで来てくださるわけですから、最終的にはここで矯正をして良かった、治療をして良かった、と思っていただくことが私の願いです。長い時間を要する分、その間に虫歯やメンテナンス、アフターケアも含め、矯正以外の部分も重要になってきますので、そこがフォローできるようになった今、より信頼関係も深められるのではと思っています。
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義之先生
- 矯正以外の私ができない部分を息子が補ってくれるので、非常に助かっています。それぞれ強みを生かすことで、患者様も安心してくれていると思います。
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裕之院長
- 父の説明が患者さんにわかりにくいのでは?と思う部分はフォローするようにしています(笑)。あと、保険診療の中でも虫歯治療やメンテナンスに関しては、私自身一般職を経て歯科医師になった経緯がありますので、仕事が忙しくて時間がとれない、痛くならないと行かないという気持ちも理解できるんですよ。なのでリニューアル後は診療時間を長くとり、日曜も月2回ほど診療しています。
これからのビジョンを教えてください
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義之先生
- 今まで培った経験で得たことを言葉や姿を通して息子に継承していけたらと考えています。また、患者様に「歯は動くもの」ということを意識していただき、後戻りしない治療を続けていきたいです。
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裕之院長
- 口の中の調和がとれれば歯並びもある程度落ち着いてきますので、当院は矯正後の後戻りを防ぐ保定期間を通常より長く3年間設けています。父がこれまでの経験をもとに構築してきたことを今後も大事にしつつ、私が学んだ一般診療というプラスアルファの部分も充実させていきます。より患者さんに安心していただける環境は整ったと思いますので、矯正に限らず、何か気になることがあれば、気軽にご相談いただければと思います。